Dressing Them Up

タカラヅカが好きです

レ・ミゼラブル

日が開いちゃったのでややうろ覚えですが帝劇レミゼ感想。

まず新演出についてです。
映画で拾い上げられた原作のエピソードが、ところどころ演出に加えられているのは面白かったです。
ただ、
ベガーズとか、前は照明の変化がもっとドラマティックだったよな…。
スローモーションがない…。
バリケードが大回転しない….。
盆を使わない…。
ってどうしても寂しくなってしまう。
どうしても、自分が好きなものの最初の印象って強烈なので、見慣れないなあ…というのが正直な感想です。

全体の印象として、具体的な状況はわかりやすくなったのかなと思います。
トゥーロンや工場の場面が、どこでなにをしてんの?ていうのが無くなった気がします。

旧演出版の、要所要所で登場人物をクローズアップするような部分が減って、
バルジャンのひとつの物語のほかの同時代のひとびとの物語が、一定のボリュームでずーっと流れていると言うか
良くも悪くも「ここ拍手するところです」ていう見せ場の演出よりも、時代背景と人物と物語をわかりやすくして、
そしていろんな劇場でやれるようにしました。という印象…。

バルジャンは荒っぽいところが結構出る。福井さんしか見てないのですがプログラム見てみたらこれも演出の変更点?なのかな。

あと、コゼットなんだか反抗期な気が!
パパさびしい!
コゼットはひたすら可愛らしく愛すべき娘であって欲しい…
このひとが本当のお母様かもしれない、と涙を流す(原作の、とても好きなコゼットの描写。夕べに薄明かりの中バルジャンを眺めてコゼットがこう思うのです。お父様でありお母様なのです。)ような、娘であってほしい。
そういう娘がマリウスに出会ってはじめて花が咲くように美しくなり巣立っていってほしい…

ファンティーヌは『人から羨まれる美しい髪』であることがわかりやすくなっていた。
工場も閉塞感がすごくて、そらひとり悪目立ちしたらすぐにでも吊るし上げられそう…というのがわかりやすい。
ファンテは悲劇的な人物ではあるけれど、あんまり清らかな、美しい姿に描かれるべきではないのではと思うのですが、
新演出版のファンテは、過剰になりかねないファンテの聖母的な部分がわりあいあっさりとしていたように感じます。
ファンテにはドラマがあるけれど、そこが突出して悲劇のヒロインのようになってしまうのは違う気がするんですよね。
あとラストが長い髪で登場するのって恐らく今回からだったような…。ラスト、ファンテの死ぬ間際の姿に聖性を出しすぎないで、かつ、ミリエル司教もバルジャンを迎えにくるというのはしっくりきました。

オンマイオウンのあとの、闇の中に走っていくエポニーヌと、バリケードがぐわっと回転する…のは毎度鳥肌ものだったので、
無くなってしまったのがなあ…。

何だかマイナスの感想が多くなってしまいました。
でもやっぱり好きな舞台です。11月また観れたら印象変わるかなあ。